もくじ
基本情報
- 無色、黄、茶、緑、青、紫、ピンク、もしくは、それらを合わせた複数の色
- 屈折率:1.628~1.647
- 化学組成:Mg2Al3(AlSi5O18)
- 硬度: 7~7.5
- 比重: 2.6
- 結晶系: 斜方晶系
- 産出場所:スリランカ、ビルマ、インド、マダガスカル、カナダ、ナミビア、タンザニア、
ノルウェー、米国、ブラジル、ナミビア
日本名は、菫青石(きんせいせき)です。
ディクロイト、ウォーターサファイア、コーディエライトとも呼ばれています。
「コーディエライト」は地質学者が使用する名前です。
「ディクロイト」という名前は、アイオライトの多色性に触発された
「2色の岩」を意味し、「ウォーターサファイア」は、
透明な石が紫色のサファイアに似ているためです。
火成岩の結晶や粒子として発生する青いケイ酸塩鉱物です。
紫の花を意味するギリシャ語の「io」に由来しています。
強い多色性を持ち、見る角度に応じて、青みがかった紫色から
黄褐色の灰色がかった黄色まで変化します。
アイオライトは、工業用途がほとんどない鉱物です。
触媒コンバーターに使用されるセラミック部品を
製造するための原料として使用しますが、
供給が信頼でき、特性が一貫しているため、
代わりに合成アイオライトが使用されます。
しかし、この合成アイオライトが宝石市場に出回ることはありません。
人工物も天然物も価格がほとんど変わりがなく、
高額な大粒の場合でも、見た目で人工物と判明してしてしまうためです。
出どころ
品質の高いアイオライトは、スリランカ、マダガスカル、ミャンマー産です。
これまでに発見された最大のアイオライト結晶は、
24,000カラット以上の重さがあり、
米国ワイオミング州で発見されました。
見どころ
昔から、タンザナイトやブルーサファイアの代用品のような不名誉な位置にありますが、
アイオライトにしかないパープルカラーは魅力的で、私の好きな宝石の一つです。
![アイオライトクリスタル](https://itoishi.com/wp-content/uploads/2022/06/iolite_rgh_s-300x271.png)
アイオライトクリスタル
一般的に、比較的安価な宝石ですが、他のほとんどすべての宝石と同様、
大きくきれいなサイズ感のあるピースは稀なため、途端に高額になります。
アイオライトは、その手頃な価格と、タンザナイトやサファイアとの類似性により、
最近人気が復活してきています。
しかしながら、需要・供給のバランスの不均衡からか、
最近市場にあまり見かけなくなった宝石でもあります。