もくじ
基本情報
- 色:とても変化しやすい。白、無色、灰色、ピンク、ライラック、紫、黄、緑、二色の場合あり。エメラルドグリーン-ヒデナイト; ライラック-クンツァイト; 黄色-トリファン
- 屈折率: 1.660~1.675
- 化学組成: LiAlSi 2 O 6
- 硬度: 6.5〜7
- 比重: 3.03〜3.23
- 結晶系: 単斜晶系
- 産出場所: アフリカ、ブラジル、カナダ、マダガスカル、メキシコ、ミャンマー、アフガニスタン、スウェーデン、および米国(カリフォルニア)など
日本名では、リシア輝石/リチア輝石といいます。
透明な原石素材は強い多色性が特徴的で、クンツァイトやヒデナイトという宝石名で昔から流通が盛んです。
スポジュメンは、ブラジルの自然主義者ジョゼ・ボニファチオ・デ・アンドラダによって発見されました。
スポジューメンそのものは、リチウム電池などのリチウムを精製する鉱物として工業用に採掘されていますが、
ここでは、スポジューメンの中でも有名な宝石名クンツァイトとヒデナイト、トリファンについて、
取り上げていきたいと思います。
出どころ
クンツァイト
クンツァイトの最初の重要な鉱床は、1902年にカリフォルニアのパラ地域で発見されました。
クンツァイトは、当時のティファニーの伝説的な宝石学者でありコレクターであった
ジョージ・フレデリック・クンツにちなんで名付けられました。
最大のファセットカットされたクンツァイトは何と880カラットで、
スミソニアン博物館に展示されています。
ヒデナイト
プラチナを探すためにトーマスエジソンによってノースカロライナに送られた
鉱物学者であるウィリアムアールヒデンにちなんで名付けられました。
ヒデナイトは、1879年に彼に発見されて以来、最近まで、
ノースカロライナ州のアレクサンダー郡でのみ採掘されていましたが、
ここ数十年の間に、マダガスカルやブラジルで新たな鉱床が見つかりました。
トリファン
ルネ=ジュスト・アユイ(1801)は、すでに公にされているスポジューメンという名前を、
より適切な名前である「トリファン」に置き換えたいと望んでいました。
それは、この名前の由来であるギリシャ語の「triphanēs」が、「3重に見える」という意味で、
鉱物の特徴的な3重の自然な劈開(3方向)を表していて適切だと考えたからです。
結局、19世紀と20世紀に、特にフランスの鉱物学の文献で、
スポジュメンの同義語として使用されました。
20世紀後半になると、この名前は、特に米国では、
クンツァイトでもヒデナイトでもない、
無色、または黄色がかった色の宝石の品種として使用されています。
見どころ
クンツァイト
熱や衝撃ですぐに割れてしまう感受石の高い宝石ですが、一方で驚くほど耐摩耗性がありますので、
胸元などぶつける可能性が低い場所の宝飾品に向いています。
このように比較的壊れやすい石ですが、その魅力的な色、優れた透明度、
および大きなサイズでの入手できるため、以前より当店でも人気のある宝石になっています。
確かに、同じ価格帯で利用可能な同等の色の他の石はなく、
他のすべてのライラック色の天然宝石ははるかに高価です。
![](https://itoishi.com/wp-content/uploads/2021/06/kunzite_crystl-300x236.jpg)
クンツァイトの結晶
クンツァイトは扱いが非常に難しく、小さいサイズでは通常色が薄すぎるため、
発色性を考えると圧倒的に大粒でカットされることが多い宝石です。
その意味からもペンダントストーンとして、現実的に胸にあしらわれる
装飾品の大粒ストーンとして最もよく使用されます。
クンツァイトは、さまざまな方向に明るく強い色を示す多色性で知られています。
このため、石のテーブルを通して最も濃いピンク色を示すように常にカットされています。
クンツァイトはより濃く、グラデーションではなく、より飽和した色が最も価値があると考えられています。
クンツァイトは強い光で色あせすることがあります。
ほとんどのクンツァイトでは退色効果はそれほど劇的ではありませんが、
アメシスト同様、強い光(特に日光)に長時間さらさないことが重要です。
このため、クンツァイトは「イブニングストーン」と呼ばれることもあります。
一部のクンツァイトの色は、照射によって元に戻したり、強めたりすることができますし、
現実に販売もされています。
今日、ほとんどのクンツァイトはブラジル、アフガニスタン、マダガスカルで採掘されており、
モルガナイトやピンクトルマリンと合わせてよく見られるとても魅力的な宝石です。
ヒデナイト
1880年代から1890年代にかけて、ヒデナイト採掘が全盛期を迎え、
「リチアエメラルド」など別名で呼ばれることすらありました。
通常ヒデナイトは、全くの緑色を呈することはまれで、
通常、黄色から緑色の色合いを含む結晶が多いです。
宝石自体の性質は、上記のクンツァイトと同様ですが、
フルグリーンカラーの宝石をカットするとどうしても比較的クンツァイトよりも小さくなります。
ヒデナイトもクンツァイト同様、照射によって色合いを調整することが可能です。
![](https://itoishi.com/wp-content/uploads/2021/06/hdnt_crstl-300x298.jpg)
ヒデナイトの結晶
トリファン
無色、または黄色いスポジューメンを指します。
米国では浸透していますが、日本では、ほぼなじみの薄い宝石名です。
クンツァイト、ヒデナイト同様の性質を持っていますが、
トリファンの代わりに、そのままスポジューメンとする方が混乱を避ける意味でも多いです。
![](https://itoishi.com/wp-content/uploads/2021/06/tr_crstl-300x300.jpg)
トリファン(スポジューメン)の結晶
在庫紹介
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透明感のあるエレガントなピンクカラー クンツァイト
クリックすると拡大画像が見れます。 6.595ct 透明感のあるエレガントなピンクカラー クンツァイト(日本宝石科学協会ソーティングメモ付) 鉱物学的にはスポデュメンという鉱物に属し、 和名は「ゆうき ...
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