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アンダリューサイト andalusite

基本情報

  • 無色、黄、茶、緑、青、紫、ピンク、もしくは、それらを合わせた複数の色
  • 屈折率:1.628~1.647
  • 化学組成:Al 2 SiO 5
  • 硬度: 7~7.5
  • 比重: 3.13~3.21
  • 結晶系: 斜方晶系
  • 産出場所:ブラジル、スリランカ、スペイン、東アフリカ、ビルマ、米国

日本名は、紅柱石です。

スペインの代表的な産地である「アンダルシア地方」にちなんで、

1798年に英国の地質学者であるジャン・クロード・デラメトリによって

名付けられましたが、彼はスペインの地理にあまり精通していなかったのか、

アンダルシアにアンダリューサイトの主要な産地はありません。

 

スペインからの標本については、ヴェルナーによって最初に解析されました。

ヴェルナーとデラメトリはどちらもこの標本がアンダルシアから来たと信じていたため、

この鉱物名を「アンダリューサイト」と名付けたのです。

結局、標本自体は、彼らが誤ってアンダルシアにあると考えていた町、

エルカルドソ(グアダラハラ)から来たようです。

彼らが産地を正確に把握していたならば、

エルカルドソライト?なんて名前になったかもしれません。

 

実は、アンダリューサイトは以前から知られており、

1754年にスペインの作家であり古生物学者の

フランシスコ会の僧侶ホセ・トルビアによって、

十字架の模様が象徴的に表れるキアストライト(クロスストーン)

一種として説明されていました。

説明は彼の有名な論文「スペインの自然歴史に関する考証」に掲載されており、

この論文にはアラゴナイトも登場しています。(しかもイラスト入りで)

 

出どころ

米国のカリフォルニア州モノ郡のイニョー山地で商業的に大量に採掘されています。

他の産地としてはカザフスタン南アフリカなどです。

これらの鉱床で採れるアンダリューサイトは、発火装置であるプラグや

その他の製品に使用される耐火物や磁器の原料として利用されます。

アンダリューサイト原石

タンザニア産アンダリューサイト原石

宝石品質のアンダリューサイトは、ブラジルのミナスジェライス州

スリランカでは、緑がかったまたは赤みがかった小さな宝石質のクリスタルが採れます。

 

見どころ

アンダリューサイトはその強い多色性で最もよく知られており、

赤と緑の両方が混ざった綺麗な色合いの宝石です。

赤と緑の2色が同時に現れることもよくあります。

クリスタルの中には、ある方向に緑色を示し、

別の方向に赤色といった珍しい色味を示すことがよくあります。

 

アンダルサイ​​トはコレクターストーンとして人気がありますが、

あまり入手できないためかジュエリーに使用されることは滅多にありません。

硬度が7〜7.5ですので、ジュエリーに使用するのには申し分のない硬さです。

 

アンダリューサイトは、特に原石の状態では色が似ているため、

アレキサンドライトと簡単に混同される可能性があります。